冒頭の表は、論文の純受給率の数値を、私が発表している金額ベースのものに直したものであるが、依然として若い世代、将来世代が悲惨な状況であることが一目瞭然である。推計期間の関係で、1950年よりも前に生まれた世代のものが表示されていないが、1955年生まれ以降は全て「損」となっている。また、将来世代の損失額も、たとえば2010年生まれでは、マイナス3900万円もの損失額となっている。
実は、はっきり言って、この数字でもまだまだ甘い。この論文では、内閣府という政府機関が公表する推計として、同じ政府である「厚生労働省の2009年財政検証が正しい」という前提を取らざるを得なかったが、もちろん、そこで示されている「100年安心プランは維持されている」というシナリオは、粉飾決算であるとして個人的には批判しているところである。
これを現実的な経済前提に直して、最近に至る積立金の予定外の取り崩し・運用損を含めれば、100年安心とするためには、保険料率の大幅な引き上げか、マクロ経済スライドの大幅な発動が不可避であり、それを計算にいれれば、さらに将来世代の損失額は大きなものとなる。私の一連の著作よりも、年金部分の将来世代の損失額がやや小さくなっているのは、そのためである。
また、このモデルの限界として、支払い額は保険料だけに限定されており、社会保険に大幅に投じられている税金の負担額を含んでいない。いま議論している消費税5%引き上げや、すでに岡田副大臣、安住財務大臣、藤村官房長官が、10%では足りないと言い始めているように、将来的に20%から30%台に引き上げられる予定の消費税負担を考えれば、さらに将来世代の損失額は大きくなる。
学習院大学教授・鈴木亘のブログ(社会保障改革の経済学) - Yahoo!ブログ
厳しいね…。
今40歳でも2300万円以上の負債、30歳でも2900万円以上の負債ね。そして、今年生まれる子供はすでに3900万円以上の負債を抱えてきて生まれるのか。なんというシュールな状況か。
(via kashino)
(via clione)